小野敬子さんとの出会い

「小野さんが語っているのを聴いていて、泣きそうになっちゃった。すごいですね、あの方。」

日曜日、稽古後、「ヒマラヤ」というカレー屋さんで、夕飯を食べながら、兵十役のIZM君が言うと、

「だって、小野さんの語りの後ろには、すご~く深いものがあるから。南吉のことをとても深く研究していらっしゃるんだから。」と私。

「私、読みましたよ。小野さんが書かれた『詩碑の散歩道』。すごいですね。」と、しもりぃ。

こんなすてきな方が身近(つくば市)にいらっしゃったのですね。

いつも、出逢いは、ふとやってくるものですね。

昨年の10月27日、つくば公演のためのオーディション。その会場で

「新美南吉生誕百年

ふたたびごんぎつねの里より

南吉童話へのいざない in つくば」

というチラシを、演出の順君がみつけました。

11月17日につくば市のさくら民家園で、と書いてありました。

この日、私は、中央公園の中にある古民家を訪ねました。

そこで催されたのは、お二人のストーリーテラーによる、温かく優しい雰囲気のお話の会でした。

最初のお話は「権狐」(原作)でした。

おお、オリジナル版ではないか!!

他にも沢山童話を語ってくださったり、南吉のエピソードや、ヘルマンハープの演奏などがあり、そのどれもが私の心に優しく響くものでした。

中でも「去年の木」と「ひとつの火」は、心に残ったお話でした。

― 私が感じていた南吉という人となり、「ごんぎつね」で南吉が伝えたかったもの ―

それと、なんと近いことでしょう!!

私は、この会に参加して、心が温められただけでなく、とても心強くなり、自信を持って作品を上演していいのだな、と自分に言い聞かせたのでした。

その後ずっと、心に温めていた思いがあり、今年2月初め、思い切って小野さんに連絡をとってみました。

カンパニーのメンバーに南吉とその作品についてのお話をして戴きたいということと、今回の作品の『語り』をやって戴けないかというお願いをしてみました。

小野さんはご快諾くださり、私たちとのお付き合いが始まりました。

それが、冒頭の一節につながるのです。


小野さんの著作を、今、役者とスタッフが読んでいます。

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日本図書館協会選定図書

改訂増補版

『南吉童話の散歩道』

小野敬子著

中日出版社

定価¥1,500+税

『新美南吉

詩碑の散歩道』

小野敬子著

中日出版社

定価¥1,500+税

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