この週末、色々な芸術作品が私の手元に届いています。
ひたちなかのなっちゃんから、チラシの絵、色々な所にこれから使っていくイラストが届きました。
花から生まれた「おやゆび姫」
冬の枯れ野で凍えそうなおやゆび姫を暖かく迎え入れてくれる「ねずみのおばあさん」
もぐらとの結婚式という日、やっと再会出来たおやゆび姫を南の国へ連れて行ってくれる「ツバメ」
そして、アンデルセンの「ペン」
なっちゃんが描いてくれた、ねずみのおばあさん、ツバメは、おやゆび姫を人生のピンチから救ってくれます。人生と言うものは、不思議です。
巡り会いというのでしょうか、困った時に、ふと現れる救いの手、そんなものがあるのですね。そこから人生はとどういう方向に行くか、その時は思いもよらない方向に行ったりするものです。おやゆび姫の人生を大きく変えることになる登場人物をイラストにしてくれたなっちゃん、さすがです。
そして、それを書き綴ったアンデルセンのペン。これが無かったら、今、私たちがアンデルセンのものがたりを読み、心豊かになることは無かったのですね。改めて、この「ペン」というものに、多いに敬意を表したいと思いました。
衣裳デザイナーの小松洋紀さんからも、衣裳のデザイン画が届きました。魔法使いのおばあさん、ヒキガエル、魚、コガネムシなどが届きました。
登場人物であるところの、ヒキガエルとかコガネムシといった日頃あまりなじみのないものたち。小松さんは、形や生態を色々調べて、その中の彼が感じる象徴的なものを衣裳という人間がまとうものに昇華させていってくれます。しかも、素人の私たちが縫製出来ることも考え、予算も考えてのデザインです。
本当にありがたいです。
作曲家の金ちゃんからも、ハモりパートなどが届いて、皆で稽古しました。
稽古の後は、演出家と色んな打ち合わせをしました。
その中で、こんな話をしました。
クリエイティブスタッフから、なかなかそれぞれの「作品」が上がって来なくて大変だよね。
だって、クリエの舞台は0(ゼロ)から全て作っていくからね。
今回も、アンデルセンのものがたりではありますが、脚本、音楽、演出、振付、舞台美術、衣裳やヘア・メーク、舞台美術、照明、そして絵やチラシなども全てが、オリジナルの手作りです。
役者たちも、セリフや振りは与えられますが、それに命を吹き込むのは、自分自身です。大人も子供も、初めてお芝居をする人も、です。
それぞれのセクションのアーティストが、想像力を膨らませ、心の中で悶え、ひねり出し、或いは何かが何処からか降りて来るのを待ち、形にしていきます。
みんながギリギリになってしまうのは、仕方の無いことなのです。
じゃあ、時間に余裕があったらいいものになるか?これもそうではないのですね。
切羽詰まった中で生み出されるからこそいいものが出来ることもあったり・・・・
こんな話もしました。
アンデルセンは、何が表現したかったのかな?
今回の作品で何を表現出来るのかな?
(これは、またの機会に皆さんにお話したいと思います。)
作品を作っていくということは、事務的な打ち合わせだけでなく、こんな話も大切です。
ふと時計を見たら、日付が変わって3時間近くが経過していました。