おやゆび姫は、スイレンの葉にのったまま、流されて行きます。
途中でコガネムシにさらわれて、「かわいくない」からと、投げ出されます。
それでも、おやゆび姫は、知らない国で、頑張って一人で生きていきます。
一人ぼっちのおやゆび姫の心を慰めてくれるのは、優しく咲く花たちや、小鳥たちの歌声。
花たちを演じるのは、小学生の女の子たち。
夏、秋、冬、そして北の国ではとても待ち遠しい春。
美しい音楽に乗せて、巡る季節と、その中で自然の摂理に従って命をつないでいく花たちを表現します。
おやゆび姫の台本を書くにあたり、北の国デンマークの四季の移り変わりと、そこに生きる生き物たちも表現したいと思いました。
それは、「自然」やその中で懸命に命をつないでいる沢山の生きものたちに目を向けたいという思いが私の中に強くあるからです。
小鳥たちもまた同じです。
彼らは、渡り鳥として描かれています。
ものすごく遠い所を行ったり来たりする渡り鳥たち。
こんな力を神様から与えてもらった鳥たちは、すごいですよね。
小鳥たちは、小中学生の男の子たちが演じます。
彼らも、役を演じながら、生きることについて、何か感じたり、考えたりしてくれたら嬉しいな。
外は、春です。
ひたちなかも桜がほころび始めました。