受験生SKちゃんの手紙を読んで…
SKちゃんの手紙を読み,一言コメントをしたくなりパソコンに向かいました。
ジャックです。「クリエっ子」と言えば,うちの子どもたちも典型的なクリエっ子です。
振り返ると12年前,小学生になる前の娘がクリエの門を叩きました。小学校に入学しバタバタするなかでの5月の公演でした。ハードな練習と難しいテーマ(戦争と平和を扱ったオリジナル作品「あの空に向かって」)だったので,娘が「来年もまたやる」と言うとは思いませんでした。しかし,その言葉が,彼女たちの思春期に大きな影響を及ぼす出発点でした。
子どもたちがクリエにかかわれてよかったと感じることの一つに,役者一人一人がテーマについて深く掘り下げ,それを歌,ダンス,芝居で表現することがあります。テーマは,平和,環境,文化,人種,教育など多岐にわたっています。役者の歌う歌詞や台詞に刻まれたメッセージは,会場に足を運んでくれたお客さんへのメッセージでもありますが,役者がその歌詞や台詞の重みを感じ自分の生き方に重ね合わせるものでもあると思います。子どもたちはこれまで12年間劇団クリエにかかわらせてもらっていますが,私達(親)は,彼女らが人生のどこかで,発した台詞や歌った歌詞の本当の意味を知る時が来るのではないかと思いながらこれまでの作品を見守ってきました。
SKちゃんが,〝肌の色が違っても、信じる神が違ってもみんな人間-♪″「金色姫ものがたり」という歌詞から世界平和について勉強したいと思い,進路選択をしたことがまさにその時ではないかと思いました。私自身も,クリエの作品の歌詞や台詞に日常,励まされることがあります。〝前を向いて歩いて行こう後ろは振り向かない明日に向かって歩いていこう♪″〝前に進む歩を止めることも,時には必要さ″〝この足で歩くことやこの手で掴むこととかこの僕が出会うものすべてが大切な心のたからもの″「虹色の国のものがたり」,〝武器を棄てよう,武力はいらない″「あの空に向かって」,〝風よ吹け,おおらかに,この大地を吹き抜けて,私たちが生きた日々を包み込みながら♪″「埴輪ろまん」,〝もしも君の心に一滴の愛があるならば♪″「奇蹟の星」,〝君に届けこの願い,青い星を一回りして♪″「金色姫ものがたり」,〝自然の恵みに感謝して,それを少しだけ使う,後は残しておこう,いつも豊かであるため″「Sing a Song」。先日もSKちゃんが「Sing a Song」で熱演してくれた「歌の力だよ」の台詞にも大きな力をもらいました。彼女同様,娘たちも一番自分がキラキラできる場所はクリエだと思います。SKちゃんが自分のやりたい道へ進めるよう,心から応援しています。
今回のクリエの作品は,宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です。役者のみなさんがどんな思いを歌詞や台詞に込めて表現してくれるのかとても楽しみにしています。
ジャック