つくばでの10周年記念公演「フクロウの棲む街」が好評の裡に幕が下ろされ、今度は、ひたちなかのメンバーで上演されます。
つくばカンパニーの10周年記念公演ということで、つくばの街を舞台にした作品を書き下ろしましたが、ひたちなかでも同じ作品を上演します。
オーディションの申し込み用紙の”志望動機”を見ると、「つくば公演を観てやりたいと思った」と書いてくれているものが多数ありました。
せっかく大切に作った作品ですし、作品で言わんとしていることや、大切にしていることは、上演する場所が変わっても普遍的なものなので、是非ひたちなかでもやろうと思っていたので、大変嬉しく思いました。
5月中にオーディションも終わり、6月から稽古が始まりました。
写真は、オーディションの時のものです。
先日の日曜日には初稽古がありました。
まずは、ミーティングです。
参加者一人一人が、自己紹介をしながら今回の公演に参加するにあたっての決意を述べます。
これは、オーディションの申込用紙に記入する”志望動機”や”自己PR”と共に、これから稽古をしていくにあたって、とても大切なものなのです。
自分は、どの様に日々の稽古に臨みたいか、それぞれの立場で表明する訳です。
何度も参加しているメンバーであっても、改めてこの場で話をすることは、とても意味のあることだと思っています。
そして、いよいよ稽古です。
「稽古場は和やかに、稽古は真剣に」
これは、演出家のモットーです。
初日から、しっかりと稽古出来ました。
その後は、大人の役者のIZM君と、H君と一緒にご飯を食べに行きました。
IZM君は、つくば公演にもひたちなか公演にも参加しているベテランの役者さんです。
何気なく話している会話の中で、彼の口から出てくる言葉の端々には、
「自分はどうしたら、一緒にいるメンバーがやりやすくなるか」
「自分はどうしたら、演出家の意図に添えるか」
という彼が大切にしていることが感じられます。
それを傍らで静かに聞いているH君。
こんな風にして、先輩から後輩へ、役者としての在り方みたいなものが伝えられていくのかなと、思いながら、二人を眺めていました。
この場にはいなかった他の大人の役者たちも、いつも、周囲に心を配り、稽古場では子供たちのお手本になってくれています。
クリエは、大人も子供も参加しています。
そして、子供も一人の役者として扱われます。
反面、稽古場の居方を始め、人としての在り方を、この様な大人たちから、そして、お兄、お姉と呼ばれる中高生から学んでいるのですね。
今回も、子供たちは、歌やダンスやお芝居の技術的なことだけでなく、人として大切なことを周囲から学びながら、作品に込められた「思い」にも深く触れながら、育っていくことと思います。
役者たちは、「何故舞台に立ちたいと思ったか」という”志望動機”から始まって、
「自分は何が出来て、日々の稽古で何を目標としていくのか」ということを”自己PR”やミーティングでのあいさつで「言葉」で表し、それを日々の稽古で実践していくのですね。
大人も子供も、学校や職場、家庭とはまた違うこの空間で、沢山感じ、学び、そして自己肯定していき、本番ではキラキラと輝く姿を舞台上で見せてくれると思います。