演出の順君、振付の美穂ちゃんが、先日、エルベ・インターナショナル(美容系の会社)に新人研修に行ってきました。
昨年の4月、劇団クリエのヘア・メークを手掛けてくださっているエルベ・インターナショナル社長の高久さんから、
「新人同士が仲間意識を持てて、会社に早く馴染める様な研修を、演劇の手法を使ってやってもらえないだろうか?」
との相談がありました。
そして、エルベ・インターナショナルの新人研修を初めてやりました。
何と、1年後、その研修の甲斐あって、同期は、今も仲が良いそうです。
実は、同期といっても、年齢や学歴は様々だそうで、そこが一つになって、お互いの悩みを相談したりしながら、会社愛を培っていくのが、今まで難しかったそうなのです。
仲が良くなると、仕事の悩みもお互いに話しやすくなりますし、職場での孤立感もなくなります。職場や仕事が楽しくなると、職場が明るくなり、仕事の効率も良くなりますし、職場を盛り上げていく雰囲気も醸成されていきます。
そんな嬉しい結果が出たこともあり、今年も新人研修の依頼を頂き、行ってきたのです。
そして、社長の高久さんから、こんな嬉しいメッセージを頂きました。
土曜日はお世話になりました。
新人研修も色々やってきたのですが一番、順君やみほちゃん達に教えていただくやり方が優れていると思います。
どこのコンサルタントよりもしっくり行く内容で素晴らしいなと思っています。これからも、こう言う仕事が増えるといいですね!
「コンサルタント」と、劇団クリエのスタッフとは、何が違うのでしょうか?
一つには、私たちは、舞台作品の制作を通して、長い時間とエネルギーを注いで、「人」を育てて来たスキルがあります。人が育たなければ、心の深い所でお客様が感動してくださる作品は作れないのです。ですから、「人を育てる」ということを、とても大事にしています。
稽古場は和やかに、求めるものは高く、です。
もう一つは、「演劇はコミュニケーション」だということです。
お芝居は、セリフとセリフの間にある、あるいは相手の動きの中にある「思い」や「意味」を感じ取る表現芸術でもあります。
これは、研修の一コマ、「私は木です」の写真です。
1人が「私は木です」と「木」になると、挙手をして、次々、「何か」になっていきます。
1本の「木」から連想されてつながっていくものは、本当に自由で限りなく広げられるのです。そして、そこには思いがけない景色が生まれ、ストーリーが生まれます。
前の人の表現を受け入れながら、自分の発想も大事にしていく所も、ポイントです。
順君は、それを「Yes and」という手法で受け入れていきます。
演劇作品を作る過程も、劇団クリエでは、この様に自分の心で感じて表現していきます。
だから、役者が伸び伸びと、自発的になるのです。
接客も同じです。
新人さんが、相手(お客様)を受け入れながら自分の感性も発揮しながら仕事をして行けるヒントになるのですね。
研修では、新人同士も肌でお互いを感じながら、信頼関係も作っていきます。
私たちも、彼らが、美容師として、社会人として成長していくのを楽しみにしています。
今回の研修を依頼してくださった社長の高久さんは、劇団クリエのヘア・メークを長年担当してくださっています。
少ない予算の中で、色んなヘアスタイル、メークを生み出すアーティストでもあります。
早替えで着ける髷(まげ)や鬘(かつら)なども工夫して作ってくるクリエイターでもあります。そして、エルベの経営者でもあります。
高久さんは、年に1度の稽古見で、役者たちの技術的な成長だけでなく、稽古場での居方、外部スタッフさんへの接し方などの成長を目の当たりにして、舞台作品作りの中に、人づくり(人材育成)の「鍵」を見出してくださったのでしょう。
私たちも、「演劇」や「舞台」という枠を越えて、社会にこの様な手法や、表現することの楽しさが広がっていくと良いなあと思っています。
あなたの職場でも、「演劇の手法を使った新人研修」をやってみませんか。
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