合宿がありました

週末の3日間、茨城県立中央青年の家という施設で、合宿をしました。

合宿は、日ごろの稽古と違い、同じメニューの食事を一緒にし、お風呂に入り、仲間と同じ部屋で寝ます。生活を共にするのです。

合宿の予定は、「稽古」しかありませんが、その間に様々なコミュニケーションが生まれます。
お稽古場が一つしかないこともあり、空いている役者たちは、語り合ったりしています。
同じ役同士だと、空いている時間も一緒のことが多いので、良く楽しそうに語っています。
何を語っているのかわかりませんが、チュンセとポーセ役が本当に双子に見えて来たり、賢治さんとトシさん役が本当に兄妹に見えて来たりするから不思議です。

外では、おねえさんたちが、子どもたちに稽古をつけていました。
サソリの2重唱を歌うベテランの2人は、キーボードを廊下に持ち出して、声を合わせていました。
スピーカーの陰では、ジョバンニが一人うつむいています。心配して見ると、どうやらジョバンニと向き合っている様です。

クリエは、「決まり」は、殆どありません。それぞれが、周囲を見て判断していくのです。
演出家は、「お芝居や表現には、レベル1・2・3がある」と言います。
レベル1は、自分自身
レベル2は、相手
レベル3は、全体(舞台上では客席も含まれます)
合宿でも、これが見事に発揮されていました。
周りを見てさっと行動出来る所が、クリエっ子たちの凄い所なのです。
それを見ながら、子どもたちも育っていくのです。

社会人になると、このレベル1・2・3がとても役に立つのです。
周囲を見ながら仕事が出来るからです。

最終日の午後は、いよいよ通しです。
道具などの準備が出来ると、通しの前には、「劇団クリエコール」があります。

このコールの後、それぞれが役に入って行って、オープニングになります。

通しでは、情熱のピアニスト金ちゃんが入ってくれて、役者たちの気持ちも、ぐっと上がりました。

クリエの作品では、オープニングとエンディングでM1(1曲目の音楽という意味)を歌います。

同じものを歌いますが、オープニングでは、どこかさわやかさを感じるM1でした。
それが、エンディングでは、多くの役者の目から熱い涙がこぼれていました。

役者たちは、それぞれの日常があります。
クリエの作品は、そんな役者たちが日常の中で感じたり背負っていたりするものも含めて、表現されていきます。
だからこそ、プロの役者とは違う熱い熱い表現が出来るのだと思うのです。

濃くて熱い合宿が終わりました。
役者たちは、日常生活の合間に、合宿での動画を見て、それぞれが次の稽古に備えていることでしょう。

クリエだから表現出来るもの、クリエでしか表現出来ないもの、是非、皆様にも味わい楽しんで頂きたいです。
嬉しいことに、マチネのチケットは、間もなく完売になります。
ソワレは、自由席のみ残っています。
チケットのお求めは、お早くお願いいたします。