6月9日から、次の公演に向けて、ワークショップが始まりました。
「銀河鉄道の夜」の参加者、以前のクリエの作品への参加者、そしてクリエは全く初めてという方まで、沢山の方が参加してくださいました。
内容は、非常にベーシックなことから、次回公演の作品の一部を使っての表現まで、多岐に亘りました。
舞台経験を積んでも、基本は常に大切です。繰り返し基礎練習をし続けた上に、更なる表現力の上乗せになっていきます。それは、どんな表現ジャンルでも同じですね。
初めて参加した方にとっては、難しかったこともあったと思いますが、これにめげずに続けて参加して欲しいなと思います。
ちょっとお休みすると、体は硬くなるし、声は響かなくなるし、表現したいものや感じるものがあっても、思う様に出来なくなってしまいます。
以前、あるピアノの生徒のお母さんから、「え?先生も練習するんですか?」と言われたことがあります。体の一部を使って表現するとは、常に使える様にしておかなければならないので、それは当然なのですけれどね。
ただ、多少若い頃よりも衰えてしまった所があっても、知識や経験でカバー出来たり、ちょっとした表現の工夫に気づいたりして、成長を感じることが出来るものなのですね。
そして、スポーツと多いに違う、芸術の楽しさは、やっぱり、「表現する楽しさ」なのですね。何秒速いとか、何センチ高いとか、そこはあまり大切ではなくて、こんなものを感じたとか、これを今回は表現できたとか、そういう所が楽しいのですね。その年齢や経験でこその表現、これもまた楽しいのですね。
演出家の順君が言っていました。
「コロナでずっと出来なかったけれど、それが無駄だったかと言うと、そうではなくて、その間に他の所で経験したり感じたりしたものを、今回の銀河鉄道の夜でも、それぞれの役者たちが表現してくれたと思う。」と。
ジョバンニ役のSRちゃん、カムパネルラ役のKNちゃん、青年役のS君、賢治さん役のM君たちは言うに及ばず、多くのメンバーが、本当にそうだと思います。
それぞれの技術力をキープするためにも、ベテランの役者たちもワークショップに参加して欲しいけれど、オフの今は、無理の無い範囲でと思っています。
稽古場以外の沢山の「場」もまた、自分を磨き、表現を深めていくために必要な「場」であるのですね。これこそ「クリエ」の表現に欠かせないものだと言っても良いでしょう。
日常の仕事や学校での生活を大切にしながら、芸術を求めていくことは、宮沢賢治さんの生き方にもつながっていくと思うのです。
次回のワークショップは、6月22日(土)14時からです。
クリエに興味がある方、是非、「クリエ」を体感しにお越しください。