風のコンチェルト ~つくば公演~ 

スタッフ

作・脚本:上原久栄
音楽:後藤知明
演出:大滝順二
振付:梅原美穂、西林素子
照明:成瀬一裕(あかり組)
音響:齋藤裕美
美術:大滝順二
衣裳:宮部詩都賀
ヘア・メーク:高久重則(エルベ)
舞台監督:樽真治

あらすじ

お話の舞台は一昔前のとある田舎町。
今年、義務教育を終えるニースは、卒業後、女学校へ進学するかどうかで、両親ともめています。
そんなニースが大好きなお気に入りの場所。それはロンおじさんが営む牧場の、小高い丘の上にある「大きな古い木の下」です。
ここは、向こうの森から牧場を渡ってやってくる優しい風が通り抜けていきます。
何か気持ちがすっきりしなかったり、嫌なことがあったりすると、ニースはここへやってきます。風は、答を出してくれる訳ではないのですけれど、 ここに来ると、気持ちが落ち着いたり、心の整理がちょっとついたりするみたいなのです。
「私はどうしたらいいのかしら」そんな思いで大きな古い木の下にやってきたニースは、目を閉じて、静かに流れる風の歌を聴きます。

制作こぼれ話

初めての公演

つくばで初めての劇団クリエの公演でした。
キャストの殆どがつくば市民と、その近隣の方たちでした。
ひたちなか公演が終わって僅か1ヶ月ほどでつくば公演を迎えました。
キャスト、スタッフ一同すべてが初めての中で、それぞれが夢中の1ヶ月でした。
ひたちなか公演と同様の作品、殆ど同じスタッフ、でも、
「演じる人が変わると、こんなに舞台そのものが変わるのですね。」
二つの舞台を観た方からこんな感想を戴きました。
それが演じること、創ることの面白さでもあります。
しかし、伝えたいものは、しっかりとお伝え出来たのではないでしょうか。
一番伝えたい場面のナンバーの最後にお客様から拍手を戴けたことで、主催者はそう理解しています。

本番では殆ど目立たない小道具たち

1つ目の写真は「カブト虫の幼虫」、2つ目は「ザリガニ」。
どちらも舞台で使用した小道具です。何と、本物そっくりなのです!!
出番はほんの一瞬。しかも、殆ど目立ちません。
作る側の一方的なこだわりかも知れません。
でも、そんな小道具たちの存在が、子供たちの演技にリアリティをもたらしていると思うのです。
ちなみに製作者は・・・・・・あの魔界厄介もういいかいのナルシス・キャサリンです。彼女の本業はナルシストではなく、美術の先生なのです。あの夢のあるチラシ&パンフレットのイラストも彼女が描いてくれました。

インドネシアから直行 ― ヘア・メークの高久さん

この人がいないと、誰もあの一昔前風の母親の髪を結うことも、魔界の摩訶不思議なヘアスタイルを作ることも出来ません。
それなのに、仕事で行くインドネシアからの帰国が、当初の予定より1日遅れて、本番当日になってしまうことになった。 これは大変!!朝一で楽屋入りしてもらわないと間に合わないのに・・・・・前以て髷を作っておいてすぐ付けられるようにして、 必要な道具もすべて前以て用意してもらって、彼はインドネシアに出かけました。
飛行機が遅れたら、アウトです。飛行機は無事予定通り成田に到着、入国手続きもつつがなく終了し、何とか、本番に間に合うように楽屋入りしてもらえました。実は博打だったのです。
この話には落ちがあり、高久さんは間に合ったのですが、彼の娘が、公演を観に来るのに、電車を乗り間違え、 水戸から小山まで行ってしまい、東北線の車両に乗ってから「違う!」と気付き、本番に間に合わなかったのです。トホホ・・・・・