クリエの20周年記念公演「埴輪ろまん」が終わった時、演出家の順君が「日本ならではの作品も作っていきたい」と、食事の席で話したのを受けて、メンバーの中から、「ごんぎつねはどう?」という提案があったのが始まりです。
ごんぎつね・・・・・それは、小学2年生の時、教科書で学び、感想文をクラス全員が書いた作品です。
お母さんがいない森田君。彼は落ち着きがなく、何かと問題を起こす生徒でした。その彼が、火縄銃で撃たれてしまったごんを「ごんは、ばかだ」と書きました。森田君の思いを、担任の先生は、丁寧に拾い上げてくれました。そして、「杉の子」という学校の文集に掲載してくれたのです。
自分は当時、何を感じ、何を書いたのか、全く覚えていませんが、森田君の感想と、それを否定せずに、一人の生徒の感想として取り上げてくださった先生へのリスペクトが、今でも心に強く残っています。
音楽も、文学も、そして絵画などの美術作品も、芸術作品は全て、作者の意図や思いが込められています。
それらを、聴いたり観たりする人は、作者について知ったり、作品の背景や意図を知ることも大切です。
しかし、その人が持っている感性で、素直に感じ取るという味わい方もあるのです。小学2年生の感想は、「直観」に近い物かも知れませんね。
「感想」は、その人が「感じ」「想う」ことですから、どんな感想でも、正解なのですね。
知識も大切ですが、この「感じ、想う」ことは、もっと大切ですね。
12年前の秋、まだ、何の構想もないまま、ゴンとそれを書いた南吉さんに逢いたくて、真夜中の東名高速をひたすら走り、半田市を訪ねたのでした。この地で私の感性が感じるものを大切に、脚本を書こうと。小学2年生の時のあの感想文のことも頭の片隅にありながら。
早朝、矢勝川のほとりに立って、観たままの景色を、そして感じたままの思いを素直に書き留めたのが、オープニングの「君にあいたくて」です。
そして、「ごんぎつね」に出て来る、兵十、弥助、加助、吉兵衛、新兵衛の家々や、その家族、その時代の人々の日常などに思いを馳せ、それらも脚本に書き込もうと思ったのでした。
写真は、12年前の10月に撮った矢勝川です。
彼岸花の季節は終わり、少し秋が深まろうとしている頃です。

最近は、インスタグラムでお稽古の様子を発信していますので、このブログでは、作品についてなどを多く書いていきたいと思います。
また、時間がある時に、続きを書きます。
